こんにちは。越前大野の縁側、管理人の中村です。
さりげなく完成した幣宅の立ち飲みBARカウンター。

50年ぐらいの時を経て、よみがえった物語を是非シェアしたいなと思い、記事にしたためました。
- 立ち飲みBARカウンター兼食器入れをDIYした
- 庭に50年ぐらい置いてあった木材を再利用した
- 物語が続く感じがものすごく面白い!
- 飲みに来てね!
雑にまとめると「とにかくいろいろ大変だったのでねぎらってください(≒飲みに来てください)」という記事です。
が、ドラマティックな感じに仕上がったので是非ご覧くださいませ。
小屋を解体した時に出てきた極上木材
さかのぼること2019年3月。

庭で朽ち果てていた用具入れの小屋を解体した際、隅っこにひっそりと転がっていた木材を発見。

解体を手伝ってくれた工務店のお兄さん(タクロー君)曰く「これはめっちゃいい木なんで捨てるともったいないですよ」とのこと。

実はこのおうちは、先代のおじいちゃんの所有地である山から材木を切り出して作られたそうで、当時の端材と推察。
5-60年以上庭で自然乾燥されていたケヤキ?ナラ?
ギターにしたらさぞいい音がなりそう。
普通のDIYだったら合板とかSPF材を買ってサクリと済ませるのですが、こんな極上素材を手に入れてしまったらもう・・・気合を入れるしかない!
しかし、このでっかい角材・・・どうしたものか・・・
期待と不安が入り混じる長い旅がここから始まったのである。
市内の材木屋に電話してスライス
仕上がりのイメージとしてはこんなかんじ。


ガス管を足にして、ポン置きするというのが理想。
なので、2-3㎝ぐらいの厚さにスライスしないといけない。
みつわに電話したものの「スライスみたいな切り方はできない」とのこと。むむむ。
・・・どうしたものか・・・
周辺の製材所に片っ端から電話して、幸運にも近所の工場から朗報が。
「スライスしてあげるから持ってきな~」とのこと。感謝。


んで、こうなった。
しかし、鋸目がギザギザしている・・・
贅沢は言えないものの、どうしたものか・・・
業務用マシンでやすり掛け
困ったときは工務店のタクロー君だ。
彼に相談して、業務用のすごいマシンで表面をいい感じにしていただいた。

重ねて感謝である。
謝謝Very Muchである。
脚を鉄で特注
次は脚だ。
「ガス管で脚作るとかっこいいよ~」と言われたものの、お手本にあるようなガス管なんて、どこを探しても見当たらない・・・(みんなどうやって仕入れてるのよ!?)
仕方ないので、ゲストハウスナマケモノのオーナーさんに相談して、鉄工所さんを紹介していただいた。
鉄工所のおっちゃんは、非常に手際よく脚を作ってくださった。
職人さんたちにほんの数分で会いに行けるのはなんとも心強い。
艶消しブラック
製作コストを抑えるため、できる限りは自分でやりたかったので、塗装は自分でやることにした。
・・・とその前に、試しに木材を置いてみると非常に良い感じ。
家で飼っている猫が戯れている下部のスペースは、掃除機がストレスなく入っていけるようなクリアランスを確保した。
こういう日常使いをしやすい設計にしていくところがとにかく頭を悩ませた。
天然塗料で天板を塗る
いよいよ仕上がりが見えてきた。
天然塗料を買って、天板をぬりぬり。


木目の美しさと濡れたようなツヤのハーモニーは、なんだか官能的ですらある。
塗料も凝りに凝って、普通のニスではなくOSMOカラーにした。
それを3度塗りぐらいした。説明書にあるとおり、うすーく塗るのがコツらしい。
そうこうしているうちに秋になり、

年末が訪れ、

冬が来てしまった。
何故か日本酒だけは幣宅に漂流するようになったにもかかわらず、肝心の立ち飲みカウンターが間に合っていない状況は、本当に口惜しかった。
また寒い季節に DIYを やるのはどうしても気合が入らず、続きの作業は伸ばし伸ばしになってしまった。
再開のメドも立たず・・・
救世主現る
そんなときに現れたのが東京からの旅人さんだった。

奇しくも、3月からお試しでSAGOJOさんのプロジェクトにコラボさせていただくことになり、タダで泊まっていただく代わりに、簡単なお仕事を手伝ってもらえる。そんな条件でのご来訪ということで・・・
甘えないわけにはいかない!!!
ここから一気に製作が加速した!


ちなみにこちらのお方はSAGOJOの代表取締役である。
これにはほんとに助けられた。
作業時間にすればものの2時間ぐらいだったのだが、重量物を運んだり掃除したり、木を切ったり・・・と、今までさんざんやってきたので億劫になっていたことがあっという間に片付いたのだ。
この精神的負担の軽さと言ったらありゃしない。
あっという間に完成した!

立ち飲みBARが幣宅にオープン!
・・・と、こんな風にして1年がかりでようやく日の目を浴びることができた。感無量である。




暖かくなったら大家さんとも一席設けたい。


人を招かない日もここでしっぽり引っ掛けたりしている。

せっかくなので、ついつい吸い寄せられたくなるよう、場末感漂う看板も自作してみた。


誰がこうなると想像しただろうか…


・・・こうして、50年以上の歳月を経て生まれ変わったこのアイテム・空間で、この地のおいしいお酒やご飯を食べる至福のひとときを共有できることがますます楽しみになった。
歴史のある町に敬意を表し、ちょっと頑張ってみたらカウンター一つでこんなにも物語が生まれてしまった。
この越前大野というまちは100年以上続くお店も多く、掘り下げれば掘り下げるほどこうした面白いストーリーがゴロゴロ出てくるのではないかと思う。
もしこんな風に物語を紡ぐこと・創ること・発信することに興味があったら、ぜひ下記ページから旅人登録をしておいていただき、いつの日か幣宅&越前大野を訪れてほしい!
ストーリーに満ち溢れた痺れるコンテンツがあなたを待っている!!